テーマを決めるための資料の読み方

1.自分なりの見取り図資料を作る。

テーマ設定のための思考方法はいろいろありますが、
ひとつの方法は、テーマについての背景や基礎知識を大雑把に把握するために、自分なりの見取り図資料を作るというものです。

思考マップは、キーワードを中心に簡単にまとめたものであるが、見取り図の方は、一歩進んでデータや引用の抜書きなどが満載の資料と呼べるものまでにしたい。具体的には以下のようにしてみるとよいでしょう。

*基本資料から情報を探しながら集めていく。集める情報は、「対象となる現象・概念の定義、背景、原因、社会的影響、今までなされた議論」などについてのテキスト情報である。

*情報の記録の仕方はカードなどに書き込むのとPCのワープロソフトなどに打ち込んでいくものの両方が良い。カードにすると持ち運びが出来るし、あいた時間に眺めては取捨選択ができる。例えば、図書館などでパソコンが使いにくい状況があれば、主に情報カードに書き込んでいき、PCが使える場所ではテキスト化して書き溜めていく、などの使い分けができるだろう。

さて、この情報の打ち込み、あるいはネット上からコピーして自分なりの電子情報とすることを仮に「デジタル情報化」と呼んでおきましょう。デジタル情報化を行う際は、以下の2点に気をつけてください。

(1)テキスト化したものと自分の意見が判別できるように区別して書く。また、テキスト化する際は、後々のために主観を交えず、正しく記述しておく。
(2)引用したり、レポート内で触れる予定があってもなくても、出典情報(著書・論文名、刊行(発表)年、著作者名、出版社名)をしっかり書いておく。


2.ある程度、集まったら、目的を持って情報収集しよう。


背景的な知識がある程度、集まったら、その後の情報は、ただやみくもに集めるのではなく、目的を持って集めるようにしたい。論証型の課題ならレポートのテーマになりそうなネタを発見し、自分なりの「問い」を作り上げるつもりで基本資料を読む。一方、報告型の課題なら、報告内容を取捨選択し、報告文書の主張に批判的検討を加えることを目標に報告すべき文献を読む。

読みながら、文献を要約したり、思いついたことをワープロソフトに打ち込んでいく。論証型にせよ、報告型にせよ、自分の着眼点・視点作りをするために読むことを意識しよう、ということだ。これについては戸田山(2002,p.60)が以下のように述べている。


1回目はその分野のおおよそを知るために読んだ。今度は、読むねらいが違う。品のない言い方をすれば、論文のネタを探すために読むのである。

 

(i)(メウロコ)なるほどそうだったのか!と「目から鱗(うろこ)」の箇所
(ii)(ハゲドウ)そうだそうだ、わしもかねがねそう思っとったんよ、
  という「激しく同意」の箇所
(iii)(ナツイカ)ん?なんか変だな。どうしてそう言えるわけ?
  という「納得いかない」箇所
(iv)(ハゲパツ)なんじゃこれは、わしゃ絶対認めんけんね!
  という「激しく反発」の箇所

-戸田山和久.(2002).論文の教室 -NHKブックス-.日本放送
出版協会.


初めに読む時には「対象となる現象・概念の定義、背景、原因、社会的影響、今までなされた議論などについて、だいたいの論旨をつかむことを念頭に読み、それができたら、論旨を忠実に追いかけるのではなく、「レポートに書くネタを探すぞ」という意図を持って読もう、ということです。

 

もうひとつ、ネタ探しを目的とした資料の読み込み方法について触れておきます。

クリエイティブ・リーディング
レポートのテーマを探すために資料を読む読み方は、課題について背景知識をつける読み方と違う。ネタ探しのために読む読み方をクリエイティブ・リーディングと言う。

下にあるのは、入試科目としての小論文を書くときの資料の読み方についての説明であるが、レポートを書くための資料の読み方についてもあてはまる。「クリエイティブ・リーディング ~課題文は何のために読むか~」の記述を引用した。レポートを書くために資料を読むキミは上の中で「課題文」と書かれているところを、キミが集めた「主な資料」、そして答案の論述主題を「レポートのテーマ」と読み替えて読んで欲しい。


*論旨の大まかな把握

課題文(⇒主な資料)をざっと読み、筆者がどのようなことを言おうとしているのかを大まかに理解する。
*筆者の意図・立場の推測
筆者がどのような意図で(どのような立場で)課題文に書かれているようなことを述べているのかを推測する。
*課題文の背景の推測
課題文で扱われているような問題や事柄が、どのような社会的背景と関わっているのかを推測する。
*論述主題の発見
課題文をもう一度ていねいに読み直しながら、筆者の考え方やものの見方、具体的な事例などを手がかりにして、自分が書く答案の論述主題(⇒レポートのテーマ)や論点・視点・具体例を発見する。

-小論文入門.(2004).―10日で小論文の基礎完成―.河合出版
()内は石井が加筆しました。

 

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