テーマを決める発想法

東京海洋大学「日本語表現法」授業から
東京海洋大学「日本語表現法」授業から

小さいレポートにせよ、卒論にせよ、論文でオリジナルのテーマを設定する作業は、論文作成の<かなめ>ですね。 着眼点がいいと、先生にも認められるし、いい評価につながるけど、 そんなに簡単に考えつくものではないでしょう。 


では、どうすれば自分なりの「学問的な問い」を見つけ出し、表現できるのか。ここではテーマを<捻出する>ということばを使いたいと思います。

テーマを考える、ということは、「ひらめく」というよりは「うんうん唸って考え出す(=捻出する)」という作業だからです。これは、いわゆる発想法の問題であり、これまでにも、いろいろと有効な方法が提案されています。
(図は、マップを使った発想法。pcではクリックして拡大可)

ここではテーマを決めるための発想法について説明しましょう。


わたしは、発想法には初期・中期・後期の発展段階がある、と考えています。

発想の発展段階  


①初期段階
はじめに、情報を集め、現象をよく見つめる段階があります。

この段階では二つの視点が必要です。まず基本資料に、ざっと目を通しながら、どこにどんな問題・議論があるか「眺(なが)めわたす」視点。鳥が高い所から眺める巨視(きょし)型の視点と言ってもいいし、望遠レンズで広くズームアウトした状態で、思考を広げる(=発散させる)見方と言ってもいいでしょう。

次に、「眺めわたした」情報の中から、論文に必要な情報を、嗅(か)ぎとり、注目する視点が必要になります。虫になったつもりで顕微鏡で細かい点を見つめる微視(びし)型の視点と言ってもよいかもしれません。具体的には、取り上げたい現象・原因・社会への影響・これまでの主な議論を拾い出し、テーマになりそうなところに焦点をあてる(=ズームインする)視点ともいえます。

この両方の視点を交互に使い分けながら資料を読んで考え、考えては読むという作業を繰り返していきます。集めた資料で焦点化した部分や、考えながら思いついたことは、かたっぱしから記録に取っておくのがよいでしょう。後で読み返しながら考えると効果的だからです。

②中期段階
次に、ある程度、情報収集すると、情報どうしを結び付け整理する段階が来ます。集めっぱなしでは、データがたまっていくだけで、かえって混乱してしまうからです。資料がたまってくると、それらの資料をうまく整理して関係づけなければならなくなるはずです。

PCのワープロ操作に慣れているキミなら、情報を整理するために、集めた文書を、カット&ペーストし、並び替えて加工するイメージです。また、みなさんの中には、テレビ番組のガイドを見ている人も多いでしょう。例えば、新作ドラマを紹介する時、登場人物の関係を図解化したものがあるはずです。そこでは主な登場人物同士が線で結ばれて、関係が説明されています。これを作ってみるのです。

発想の中期段階をまとめると、次のようになります。
初期段階で集めた「現象・原因・社会への影響」や「これまでの主な議論など」の記述を、キミの意見や解釈などを込めて並べかえたり、線でつなぎ、(=これをマッピングと言います。)それらの相関図を作る視点が必要になってくる、ということです。

<水質汚染>をマッピングで発想
<水質汚染>をマッピングで発想

③後期段階
発想の前半では、断片的な単語レベルだった思考の固まりも、基本資料を読み込み、自分なりに考えていくと、いくつか文レベルの固まり(集めた資料データ、引用、疑問点、キミの意見、ある意見に対する反論など)になるはずです。

これらを意識化・言語化し、整理して、キミなりの議論を作り上げ、その議論を、十分、小さい(それでいて課題にふさわしい)テーマにまで成型するのがこの段階です。言い換えると、レポートにふさわしい「問い-答え」の形に収束させるということです。初めはあいまいだった「問い」同士の関係も、優先順位や関係が整理され、見やすい形で構造化(=視覚化)できればしめたもの。

この段階まで来れば、キミなりの新しい視点・解決法・課題の発見につながり、問題提起らしきものが見えてくるはずです。さらに、専門科目の中で、他の人が指摘していない未発見の「問い-答え」が言語化できて、それが意義として認められれば評価も高くなり、理想的でもあります。 

 

 

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